Rebirth of the Golden Sorcerer ~うみねこもくじ
ビジュアルノベル『うみねこのなく頃に』の考察記事へのまとめリンク
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今回は細部の検証と『贋作』要素の検討を行う。 事件の基本的な仕掛けはいわずもがなとして、計画の方針決定と親族の丸め込みが行われたのはどの時点だろうか。 漫然と物語を追っていると、バトラによる金塊発見に応じて立案した計画か、と思ってしまうのだが…
「本来の」ゲームはどのように進行し、第四~八の晩には誰が犠牲になっていたのだろうか。
基本的な仕掛けは言わずもがなにつき細部の検証を。 この赤字と矛盾しない「食堂の惨劇」の真相を考えると、「共犯でないのは誰か」が見え
大前提として、「黄金郷に連れて行くと約束した親友のマリア」をベアトリーチェが儀式の中途で殺す事はありえない。また、ボトルメールが右代宮真里亞名義である事から、筆記者という体裁のマリアは最後まで事件を見届けなければ矛盾が発生してしまう(EP5はラムダによる贋作なので除く)。
推理の前提として、十三人の生贄とイレギュラーな死者で書いた通りに「魔女の復活の為には、魔女がみずからの手で13の魂をイケニエに捧げる必要がある」という仮説を適用する。 また、EP6で駒達の語った「右代宮ルール」も適用する。
そもそも『そして誰も~』のボトルメールは「謎かけ」ではなく「犯人の真相告白」であり、それに倣ったオリジナルボトルメールも恐ろしくひねった書き方だが「真相告白」のはずなのだ。
目まぐるしく「舞台背景」が入れ替わるEP8であるが、果たしてこのエピソード中の「現実」はどれだろうか。
八城十八による偽書は、表は愛や信頼や勇気に満ち溢れたエンタテインメントだが、裏面はエゴと嘘にまみれたおぞましい物語だ。 ならばEP6も3~5と同様に恐ろしいドラマのはず。
『散』のドラマを通して見ると、どうしても「バトラが金蔵の跡を継いだ」としか解釈できない。 そして、バトラ=金蔵である以上、EP4で出題された金蔵の三択問題において、彼は3を選んだはずなのだ。
3人の恋の相手はタロットのカードのようなものであり、カードを引くヤスの運命を示すものに過ぎない。 重要なのは示された運命であり、カードそのものではない。それどころか、結果が出た後のカードは不要である。
「全てを理解した」バトラ卿のゲームに登場する双子の悪魔ゼパルとフルフルは、互いに「片割れとは性別が異なる」という性別設定であり、片割れの性別が決定されれば自分の性別がそれに応じて確定する存在。
1987年にバトラが帰還しても、色々な要素が「後の祭り」であるのは分かる。 が、85年と86年の条件の違いはなんだろう。
ヤス単独作品では、使用人たちは未成年者を含む主家の人々が虐殺されるのを知りながら真犯人に協力しているが、偽書においては、使用人たちは皆「当主の仕組んだ狂言」と信じ、利用された挙句に殺害されている。
各エピソード中、儀式に必要とされる13人のイケニエ以外にも、「魔女のきまぐれ」により命を奪われた者たちがいる。しかしそれは本当にきまぐれによる殺人だったのか。 改めて各エピソードの死者数を確認してみる。
ゲーム内現実において、右代宮縁寿と作家・八城十八は実際には顔を合わせていない。 EP8エピローグにおいて、数十年後にエンジェと八城が会見する描写があるが、これはフェザリーヌ筆の幻想である。
しかしその外枠のゲーム自体の構造を見れば、「このゲームを作った者」が「プレイヤー」に長々とした物語を見せた末に、最終的にボタンクリックによって魔法ENDか手品ENDかのどちらかのエンディングを確定させるものだ。
EP8を除くどのゲーム&カケラ内でも、ルドルフはキリエとバトラに「家族会議」を提案しつつも、結局事件が起きたせいでバトラの出生事情を告白していない。そしてEP8内でさえ、バトラ卿がその事実を知ったという描写はない。
メタ界での物語をあくまで単なる幻想として扱うと、EP6~8は聖典・偽書・各種資料を検討し真相を考察するエンジェの脳内で繰り広げられる推理が装飾されたもの…と解釈できる。
ゲーム内で明示・暗示された限りにおいては、金蔵の孫たちは全員3を選択しているのである。 …では、最後に残った孫である右代宮縁寿の選択は?