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  • 執筆者の写真vicisono

EP7内カケラ


このページにはビジュアルノヴェル『うみねこのなく頃に』『うみねこのなく頃に散』のネタバレが記載されています



2012年10月05日 (初稿)

2013年07月01日 (改稿)

2019年09月18日 (サイト移転)


 

EP7茶会の意味


EP7茶会でのカケラと、EP8の余興を装ったゲームで、ベルンはエンジェに見せ付ける意図で「ルドルフ一家犯人説」の物語を披露する。


メタ界での物語をあくまで単なる幻想として扱うと、EP6~8は聖典・偽書・各種資料を検討し真相を考察するエンジェの脳内で繰り広げられる推理が装飾されたもの…と解釈できる。

例えばこの場合、「理御」は物理的に実在せず、「推理の補助線としての仮定キャラに過ぎない」という事になる。


つまりエヴァ犯人説に固執することでどうにか精神を護ってきたエンジェが、事件を虚心に分析しようとする試みの中で段々とひとつの可能性が焦点を結び、遂にくっきりとした像を描いたのがベルンのカケラ、という事だろう。



 

EP7茶会でのカケラ1と『現実』との矛盾点


  • 暗証番号を受け取っているのに、『現実』のエヴァはキャッシュカードの10億円を使えず、事件後困窮状態が続いた(ルドルフの遺体から回収しそこねた?爆発まで23時間もあるのに?)。また、現実の事件直後のエヴァが資金繰りに困っていた事実から、ヒデヨシ夫妻の許へは「共犯者報酬」のカードと暗証番号は送付されていないことが伺える(事件以前に送付された事が確認されているのはルドルフ夫妻、熊沢、南條の3名)。


  • 『現実』のエヴァは「当主の指輪」を持ち帰っている(魔女の遺体から回収した?兄弟たちが地下貴賓室に至り黄金を委譲された際、魔女は当主の指輪については言及していない。全てを放棄するといいながら、何故彼等に当主権を象徴する指輪を委譲しなかったんだろう。魔女のドレスに関する描写はあるが、当主の指輪をはめているという描写はない)。


  • タイムリミットまで23時間もある時点でバトラは生存している。2人は顔を合わせ、エヴァはバトラの生存を知り、情報共有しているはず。エヴァが怒りに任せてバトラを殺したのでもない限り、バトラも堂々とエンジェの許に生還していいはず。ベルン曰く、真実を知って苦しむ者のためにヤスはいくつも書き溜めていた物語のうちいくつかをメッセージボトルとして投じた…つまりは、殺戮の後までヤスは生存していた。島の生存者はエヴァ、バトラ、ヤスの3名である。



上記の筋を通すには、生存者3名が話し合い口裏合わせの上、ヤスがエヴァに指輪(当主権限)を渡し、バトラとヤスは遺産の相続権を放棄する代わりにキャッシュカードの10億円を受け取り、2人は右代宮の名を捨て潜伏…という事になる。


しかしカケラ1の展開を真実とすると、バトラがそれをする理由が分からない。


エヴァが唯一の生還者となって疑惑の人となるよりも、エヴァの息子ではないバトラや、戸籍上は赤の他人で利害関係もない一介のメイドの安田某も生還し、もっともらしい真相を語った方が世間の風当たりもきつくない。

惨劇のお膳立てをしてしまったとはいえ、実際には殺人を犯していないヤスも、そういう形で償いをすれば多少は救われるだろう。


何よりバトラはエンジェの許に帰って支えとなった方が良いに決まってる。

…それができないということは、バトラが身を隠さざるを得ない理由が何かあるはず。



そして何より、エヴァが「猫箱ウンヌン」いうメタ科白を発言している。「これは『現実』ではない」というサインだろう。



 

EP7内カケラ2


金蔵生存、リオン存在の前提で、カケラ1と概ね同じ展開の末、客間でリオンがキリエに殺害される。


1と同じ展開というが、このカケラ内のリオンはヤスではないので「10億円のキャッシュカード」は存在しないはず。貴賓室に実弾入りの銃器が置かれていたのもおかしい。

また、ルドルフ夫妻は時限爆弾の操作方法に関する情報を何時、誰から仕入れたのか。


そしてEP7本編と同一設定ならば、この日バトラは六軒島には来ていない。するとバトラは名実ともに生存し、エンジェは兄を失わずに済む。

これをベルンがエンジェに約束した「家族が生還する次元」と解釈するならばそれでもいいが、ベルンは「どんな経過を辿ろうと、最終的に惨劇が発生しエンジェが孤独な人生を強制される運命は回避できない」のを見せ付けるつもりなのは作中で示唆されている。


ならばこのカケラの結末においても「バトラは帰ってこない」はずなのだが、だとしたらそれはどういう理屈で?


1以上に矛盾の多い展開である。



 

EP8内紫字使用ゲーム


第一の晩の犠牲者が偽装死であり、死体確認者が共犯。以後死んだはずの人間が殺人を繰り広げる。…というEP1に類似した話。ちなみに「探偵」役はマリア。


バトラを含むルドルフ一家が犯人なのだが、バトラ卿夫妻はあくまで「フィクション」としてキャッキャウフフと楽しくゲームに興じ、クリア後も「面白かった!」で済ませている。これが真相と酷似しているのなら「悪趣味だな!」の一言くらいあっていいはず…。

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